"ヤマグチノボルさんはライトノベル作家さんなんですが、小説家デビューなさる前はネットでカリスマ的な人気を誇っていたテキストサイト「ヘキサゴン」の管理人さんなのでした。
ここのバカ管理人pulogはネットを始めたばかりの頃、この「ヘキサゴン」を見て、管理人ヤマグチノボルさんの天才的なテキストの数々を見て非常に衝撃を受けていたものです。
「ヘキサゴン」はヤマグチノボルさんの日記と自作小説からなるシンプルなサイトでした。
しかし、その日記、小説のテキストがあまりにも面白く、他の追随を許さぬクオリティを誇っていたのです。
日記は、いわゆる「妄想日記」でありまして、その妄想があまりにもぶっとんでいて、ただただ圧倒されるばかり。
その日記は「片桐綾子日記」というものだったのですが、そう、あの美少女恋愛シュミレーションの基礎を築いた名作ゲーム「ときめきメモリアル」のキャラ、美術部所属のエキセントリックガール「片桐綾子」さんに対する恋愛妄想を綴る、というのが主な内容だったのです。
しかしながら、この「片桐綾子日記」、幾多の萌えコンテンツとは一線を画すものでありました。
その言葉の魔術師的、レトリックのトリックスターともいうべきずば抜けた文章力によって読むものを不可思議でアナーキーな世界へと引きずり込む魔力的なテキストであると同時に、非常にエロい内容を恥ずかしげも無く書いていながら、あまりの文章のうまさに多くの女性ファンがつくという、「モテ系サイト」だったのであります。
当時、ゲームの美少女キャラを好き、だなんていったら全て「オタ系」なるゴミ箱にぶちこまれていたものですが、この「ヘキサゴン」はゲームの美少女キャラサイトでありながら「オタ系」ではなく「モテ系」なる、ネットにおける「超イケてる」かっこいいサイトとして認識されていたのであります。
いくつかオタクでありながらかっこいいとされるモテ系サイトが存在していましたが、その多くはこの「ヘクサゴン」と繋がりがある、一種のネットカーストにおける頂点を「ヘクサゴン」周辺で占拠していたのでした。
音楽サイトのカリスマ的存在だった、マンチェスターサイト「ヤングオデオン」や、あのカメレオンズの曲名をサイト名にかかげたマニアな音楽テキストサイト「パフュームガーデン」などと深く交流していたことなど、萌えサイト、オタサイト以上に、イカした音楽サイト、サブカルテキストサイトと親交が深かった点も、萌えゲーサイトとしては特異な点でありました。
マイ・ブラディ・バレンタインのファンサイトともリンクしていたのはかなり驚きましたね。
ヤマグチノボルはオタクとしてのスキルも並外れており、さらにマニアな音楽にも精通しているという稀有な存在のテキストライターでありました。
そのうえ、彼の文章スキルの高さは妄想日記のみならず、片桐綾子と主人公のノボルとの恋愛を村上春樹を思わせる筆致で描いた自作小説「ハイスクールはダンステリア」で、読むものに息を飲ませるほどの天才ぶりを発揮していたのです。
正直、当時作家としての精彩を欠いていた村上春樹以上に優れた「文学」でありました。
村上春樹並みの文章を書けるネットテキストライターとして、多くの人から評価を受けた、まさに天才的な人物だったのです。"
— ヤマグチノボルのヘクサゴン : プログ (via petapeta)
(via yaruo)